6月

この半年ほど胃をキリキリ痛めていた大きめのイベントを無事に乗り切ることができた。たまたま(たまたま?)連日でのイベント開催となってしまったため今週はたいへん忙しかった。金曜のイベントは書店で行われるトークイベントだったのだが、打ち合わせで想定した内容を遥かに超える哲学談義に企画側にも関わらず大変楽しむことができた。こういった異業種を掛け合わせた企画はこれからもやっていきたいし、脳内の知識欲に水を注いでもらえる感覚が本当に好きだなと再認識した(お客さんにもそういう人は結構いるはず)。翌日は女子校での講義企画。今年から新しく必修科目として追加された科目について、うちの発刊物と絡めて著者に特別講義をしてもらうというもの。こちらに関しては完全にサポート側だったのだが、生徒たちにはとても好評だったみたいで、用意した書籍は即完。追加でサイン本を予約販売するまでの盛況振りであった。一緒に仕事をしたプロダクションの広報、宣伝の方達はしっかりしているのに年下なのに驚いた。早熟、というよりも揉まれ方が異常なのだろう。現に、今回の担当マネージャーが、マネージャー職としては一番の年長者らしいがまだ30手前らしい。現場近くで軽い打ち上げをした後、中野に移動してご近所同士で慰労会。日頃の不満を言ったり、先輩のありがたい婚活の話を聞いて楽しく過ごした。皆タクシーで帰ることができるので、懐かしのモコモコで「学園天国」を熱唱して解散。

6月

川崎駅から始発に乗り込み6時過ぎに自宅に着いた。今日は梅雨の間の貴重な晴れなのでへとへとの体で先に洗濯物を回して干す。各々家に着いた友人たちから昨晩の写真が送られ、スクロールしつつ寝落ちを待つ。写っている自分の顔がとりわけ酔っ払ってるので少し恥ずかしく思う。11時に起きてスクール革命をみた。山田くんが色付きサングラスをかけたまま出ていたので??となった。ものもらいでもできていたのだろうか。そのまま始まった次の番組でも濱家が鼻に絆創膏を貼ったままだったのでまた??となった。引っかかることが多いのは嬉しい、引っかからないよりも全然良い。それにしても『トップガン マーヴェリック』の人気がすごい。そういう自分も1回目を吉祥寺オデヲンで見て、その後どうしてもIMAXでも見たかったので二子玉まで行って鑑賞したくらいだ。「その目つき...」「普段通りだよ」のやりとりが大好きだ、とても魅力的だと思う。言葉にできないことを言葉にしている。6月だから北村薫『夜の蝉』を再読している。相変わらず一文一文にため息が出る。梅雨は英語で?のくだりから「知るは楽しみなり」につながる、庭園の整頓された石の流れのように美しい知識欲への誘引がすごい。

5月

 

GWだと身構えてしまうと妙な焦りを感じてしまいそうなので、思いついたことをやっていく連休にしようと思う。ホットペッパーで美容院の予約を入れた。最近はヘアスタイルが行方知らずになっており、とりあえず伸ばしたいんです...という何とも曖昧な希望を伝えつつ緩く緩くパーマを入れてもらったりしている。カットを終え渋谷に向かう。アケルマン祭がヒューマントラストシネマ渋谷でやっているというので『私、あなた、彼、彼女』と『ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディールマン』を立て続けに観た。

 

 

4月

サカナクションの新しいアルバムをよく聴いてる。1周目は『シャンディガフ』が良いなと思って繰り返しきいた。よく月が出ている日だったから、夜に散歩しながら聴いていた。イントロに色々な音が混じって、立ち上ってくる感じがすごく好きだ。山口さんが昔SNSに上げていた猫を抱く写真を思い浮かべる。冬の寒そうな日だった。インスタライブでアルバムの話とか、デモ音源とかを聴いた後の2周目は『キャラバン』が好きだった。イントロの揺れる感じ、不思議な温度感、少しザザッとした空気感が気持ち良い。

 

Universal ProductsのボーダーロンTを買ったけど一回しか着れてない。はよあったかくなれ春〜

3月22日(火)

定時で仕事を終わらせて(全然終わらなかったけど)埼京線に飛び乗った。19時の開演に間に合うように東京テレポートへと急ぐ。電力が全然足りていないとニュースで報道されていた。デスクの周りの同僚たちが「20時までにシャワー浴びなくちゃ」と不安を口にしていた。ライブの途中で停電が起きたらどうなる?頭とは裏腹に心は漠然と高揚していた。

 

カネコアヤノは今日も高らかに歌っていた。ギターをかき鳴らして裸足でステージに立っていた。彼女のライブは、彼女にとって歌うことはかけがえのないことなんだ、ということの表明だと思う。毎回その姿を見るたびにそう確信する。燦々がとてもよかった、「美しいからぼくらは」という歌詞は素晴らしい。僕たちはかわいそうなんかじゃない。

 

まん防も明けたので駅近のバーミヤンに入った。バーミヤンは安心する。バーミヤンは落ち着く。バーミヤンは安くてうまい。2人でエンエンメニューを吟味して、青菜のコッテリラーメン小籠包付きとつけ麺エビ春巻き付きを頼んだ。僕たちのバーミヤンといえば溝の口だ。僕たちの高校は土曜の午前中にも授業があった。その帰り、土曜のお昼は決まってバーミヤンだった。広いテーブルで試験勉強やスマホゲームをひたすらした。土曜日しか行かないから日替わり定食が大体同じだったな〜。そういえば溝の口バーミヤンの入り口の扉を開ける時、ラスボスでもいるのかというくらい風が吹き込んでいたけど今はどうなっているのだろうか。最近行ってないな。

 

るんるんが短歌の創作に意欲的になっていて嬉しかった。高校の頃からの長くて深い付き合いだけど、変わらず変わり続けてくれている。見せてくれるおすすめの短歌の全部を知っていた。なんなら家の棚に並んでいる。嬉しいな〜。今はいろんな人の短歌を読んでいるけれど、あまり多くに手を出さないように気をつけているんだって。どんどん作って教えてほしい。

 

 

 

3月21日(日)

ここ半年でもかなりきつい二日酔いだ。昨晩の記憶を思い出すが、絶対に日本酒のせいだ。日本酒には良い思い出も悪い思い出もあるが、社会人1年目に新宿3丁目の「どん底」という店で悪い日本酒をたらふく飲まされてからしばらく距離を置いていた。最近よく飲むようになったのは特にこれといったきっかけは無いのだけど、「まあ大丈夫か」と思ったからであって、現にうまく付き合えばこれほど風情があってきりりと美味しくご飯にも合うお酒は無いのだが、昨晩は飲みすぎた、ただ、飲みすぎてしまった。井の頭、下北沢、おすすめ日本酒のコースで飲んだ。イノヘッドユーザーなんだからフルコースオーダーしますよそりゃ。

 

ブロッコリーとツナの混ぜ込みご飯と半熟卵を朝ごはんにいただいた。塩けとだしの味がきいていて美味かった。紅茶も入れてもらった(少し茶葉が少なかったけどあたたかくて優しい味だったな)。食後に少し休憩をして吉祥寺まで歩いた。曇り2/3の天気だったが春らしくのどかな空気だった。線路沿いの川ではカモメが水浴びをしていた。大きな丸い公園では家族づれがボールで遊んでいたり、男の子がラジコンを操作していた。みんな春だから浮かれていた。春になると街行く人々の服装がガラッと変わる。冬の間に着るのを楽しみにしていた洋服たちをやっと着ることができる幸せだ。カラフルなワンピースやシャツ、ブルージーンズがいっそう街に春らしさを与える。ユニクロでブルージーンズを買おうと思った。

 

中華屋で五目うどんを食べて、はらドーナツでお菓子を買って帰宅。ヴァイオレットエヴァーガーデンを7話まで見て昼寝をした。「愛してる」を知るために人の手紙の代筆をする仕事につく主人公の話。「愛してる」の意味を知るといえば「散歩する侵略者」もその意味を言葉では無い演出で伝えてくれた映画だった。宇宙から来た侵略者たちは人間の言語を吸収して侵略の準備を着々と進めていく。物語の終盤で松田龍平が演じる侵略者(人間に寄生するのだ..)が人間の妻の長澤まさみから「愛してる」を奪い(正確には受け取った)、そのとてつもなさに揺さぶられるのだが、この時の松田龍平の演技がいかにもな感じでとても印象に残っている。映画自体も変わった内容だったので当時かなり好きだった。アニメの主人公も無事に「愛してる」を感じることができるようになるのか、その後にどうするのだろうか、もう「愛してる」と言ってくれた少佐はいないというのに。

 

夜、月曜なのにハリーポッターの映画が宣伝のために放送されていたので観て寝た。ラストでダンブルドアが亡くなった後、みんなが天に杖をかざして光で闇を払うシーンがまるまるカットされていた。そりゃないよTBS。

 

 

3月20日(日)

まだ行ったことがない23区に出かけてみよう、ということになり我々は電車を乗り継いで蒲田駅に向かった。そう、行くのは大田区だ。大田区の印象といえば大森がどうしても強いのだが、別に好きというわけではない。数年前に大森海岸を見てみたくて友人と一緒に大森駅に初めて降りたが、淀んだ空気と晴れているのか曇っているのかわからない気候に頭がくらくらしてしまった。その後もキネカ大森に1〜2回映画を見に行ったことがあるが、用がなければなるべく立ち寄りたくは無い街、というのが正直なところだ。

 

でも今日の目的地は大森ではなく蒲田。蒲田は高校生の頃に水泳部のメンバーと市民プールに泳ぎに来たことがあるくらいで、ほとんど知らない街だ。駅を出るとチェーン店が立ち並び、所々に行列もできている。日曜のお昼だからか人も多く、大体は駅に向かって歩いていた。蒲田小学校の側の呑川はひどく濁っていて生物の気配すら感じなかった。しばらくまっすぐに歩くと商店街があり、そこを抜けると京急蒲田駅に着いた。京急蒲田といえば、羽田空港に勤めるCAさんが多く住んでいることで噂だけど、本当に住んでんのか?と疑ってしまうほどに何も無い。駅にはタリーズとGUが入っていて、外から建物を見るとまるで巨大な立体駐車場のようだった(実際に半分は駐車場の役割も担っているらしい)。夫婦橋の方に行くと公園があった。4〜5人の男グループが遊んでいたが、仲の良さと見た目のイメージが全然つり合っていなかった。推測するに、高校を卒業してから何年か別々の場所で過ごした友人同士が久しぶりに地元で再会した感じだった。変なポーズでブランコを漕いだりしていて楽しそうだった。

 

THE・大田区の蒲田の印象は、川が濁っている街だ。チェーン店が多く並ぶ街並みは人も多く一見寂しくはなさそうであるが、この短時間では蒲田はその影に隠れてしまっていて、その素顔を覗くことはできなかった。しいていえば西口は住みやすそうだった。中央口の湿った空気感と比べると家族づれが多くて活気を感じた。

 

夕方、蒲田を後にして大井町に移動。母校の高校があるこの街は馴染み深く色々な思い出もある。昨年末に忘年会という名目で大井町に集まり、レモンサワー飲み放題という看板文句に踊らされてビタミンCを過剰摂取してしまい、あわや一同おしまいになってしまう事態に陥ったことはまだまだ記憶に新しい。高校生の頃はイトーヨーカドーマクドナルドや学校横の中央公園に集まっていた僕たちだが、大人になった今ではかつて味わうことができなかった"酒の大井町"を存分に堪能している。適当に路地をぶらついて、牛タン居酒屋でビールとハイボールと牛タンを食べた。通してもらったカウンター席が後ろの幅がとても狭くてとてもトイレに行けそうになかった。10点減点〜

 

またまた移動して下北沢へ。本田劇場で観劇した後によく行っていた「ざこや」で〆る。ごぼうの唐揚げ、焼きそら豆、ポテトサラダ、煮込み豆腐をいただく。このお店のご飯は本当に美味しくて、特に風呂吹き大根が絶品なんですけど、今日は残念ながら品切れでした。ビールに日本酒をグラスで3杯も飲んだ。お店のスタイルだと思うんだけど、新規でお客さんが来たときは検温をする必要があるから少し外で待ってもらえますかと声をかけている。しばらく見ていると少しも待てないお客さんが結構いるので、ああ少し待っていればこんなに美味しいご飯が食べられるのに、、と同情してしまった。お店としては短気なお客さんを入れないように出来るから良いのかもしれない。昔から「しばし待て」が中々できない性分だけれど、少しの想像力を持って「しばしなら待てる」ようになりたいものである。