3月19日(土) 

軽い二日酔いから始まる三連休の初日。昨日アマゾンで頼んでいた商品はもうポストに投函されている。何のきなしに「いただきハイジャンプ」を見ていたら八乙女くんがまだ映っていた。確か難聴の病気を治療するために芸能活動を一時休止しているはずなので、これはまだ撮り溜めていた分なのだろう。八乙女くんの才能溢れるところやメンバーの面白さを引き出す気づきのアクションはグループの中でもとても大切な役割だと思う。ゆっくり大事をとって完治してからまた戻ってきてほしい。

 

銀だことお米屋さんのおにぎりを昼に食べた。14時45分からシネマカリテで「MEMORIA」のチケットを予約した。唯一目に入ってしまった事前情報が耳鳴りがするほど静かだというので、念の為にお腹をいっぱいにして映画館へと向かう。アピチャッポンの作品は恥ずかしながらこれまでに観たことがなく今回が初だった。自分だけに聴こえる大きな爆発音に悩まされる女性がその音の原因を探りながら音の旅に出るというのが簡単なあらすじだが、2時間ずっとこれは何なんだと思いながら見ていた。いくら考えても実体がない気がしたので、だったらありったけを感じようと思って頭の中をからっぽにしていた。とても自由で優雅で、整頓されている印象を受けた。一定の場所や時間に留まらずに記憶や音が巡っているんだと思ったけど、その超現実的な解釈を自然に落とし込ませてくれる、そこに腑が落ちる感覚が心地よかった。

 

劇場を出ると強い雨が降っていて、心地よいエンドロール(ずっと雨の音が流れていた)から急に都心に突き放されてしまった。きっとこの映画は都心の人が多くみることになるのだろうけど、あの映像を都心の狭い劇場で見るんだなと思うと不思議だ。配信に落ちてこないみたいなので、見れるうちに見ておいた方が良いと思う。雨の新宿を抜けて高円寺に向かった。小杉湯のミルク風呂がスパイシーチャイになっていて最高だった。ロビーでブルージャイアントを読んだらあまりの熱量に手が止まらなくなってしまい1時間以上も読み続けてしまった。moreに通い始めてからジャズに何となく興味はあるが楽しみ方やジャズナンバーに詳しくなったわけではない。だけど、川原で思い切りサックスを吹く主人公を見ていると確かに熱を感じた。昨日とは風が違って、太陽が明るくて、人や生活も毎日が違う。そうか今日はこんな感じか、じゃあこれでどうだ、という気持ちになる、それもジャズなのかもしれないと思った。